11月21日(月)のグレーテルのかまどでは文豪「谷崎潤一郎」が生涯愛した「モカロール」。しっかりとしたスポンジ生地に濃厚なバタークリーム。それぞれにコーヒーの風味を効かせたコーヒーの二重奏、重厚で濃厚な「モカロール」です。
谷崎潤一郎がこの「モカロール」を初めて食べたのは「細雪(ささめゆき)」の執筆中の時。戦後の贅沢を禁止の時にかかわらず食には欲望のまま贅沢だったようですよ。
作ったのは執筆先の熱海で西洋料理店を営んでいた「新田道雄シェフ」。豪勢なフルコースの最後のデザートに出されたのがこの「モカロール」だそうです。谷崎さんのために研究の末、普通のロールケーキと違い両側から巻く少し変わったロールケーキになりました。
まだ生クリームがなかった頃にバタークリームをクリームにしたんですね。欲望渦巻くスィーツ「モカロール」楽しみです。
モカロールの材料(27cm 1本分)
スポンジ生地
- 卵(150g)
- 卵黄(20g)
- 上白糖(85g)
- インスタントコーヒー(小さじ1・1/2)
- 湯(3ml)
- 薄力粉(65g)
- バター(25g)
クリーム
- 卵黄(40g)
- グラニュー糖(60g)
- 水(20ml)
- バター(150g)
- 塩(1つまみ)
- インスタントコーヒー(大さじ1)
- 湯(5ml)
スポンジ用シロップ
- シロップ(35ml)・・砂糖10g、水20mlを加熱して冷ましたもの
- ラム酒(5ml)
モカロールの作り方
- 生地を作ります。薄力粉(65g)はふるっておきます。インスタントコーヒーは分量の湯で溶かしておきますスポンジ生地用のバター(25g)は湯せんにかけ溶かしておきます。型にオーブンペーパーを敷いておきますが型にバターを塗る場合もありますが、塗らずにシートをひいても大丈夫です。個人的にわら半紙やコピー用紙がオススメです。クリーム用のバター(150g)は常温にしておきます。
- 卵(150g)、卵黄(20g)、上白糖(85g)を混ぜ湯せんにかけ40℃に温め泡立てていきます。中の温度が40℃になればいいのでステンレスボウルなら直接ボウルを火にかけても大丈夫です。
- 8の字を書いてしばらく消えないくらいに泡立ったらお湯(3ml)で溶いたインスタントコーヒ(小さじ1・1/2)を加えて混ぜます。
- ふるった薄力粉(65g)を加え切るように混ぜます。粉が見えなくなるくらい混ぜます。30回〜40回くらい混ぜ生地にツヤを出します。
- 湯せんにかけた溶かしたバター(25g)を加え混ぜます。バターは油で生地の下に沈みやすいのでゴムベラで下からすくうように混ぜると混ざりやすいです。
- 準備した型に流し平らにして220℃に余熱を入れたオーブンで7分焼きます。
- 焼きあがったら型から外し大きめのビニールに入れビニールはふわっとさせておきます。蒸らして冷まします。
- クリームを作ります。卵黄(40g)をしっかり泡立てます。
- 水(20ml)とグラニュー糖(60g)を小さな鍋に入れ火にかけ115℃まで煮詰めます。
- 泡立てた卵黄に煮詰めたシロップを混ぜながら加えさらに泡立てます。
- もったりとしてきたら柔らかくしたバター(150g)と塩(1つまみ)を加え少しふんわりするくらいまで混ぜます。
- 出来たものから150g分取り分けお湯(5ml)で溶いたインスタントコーヒー(大さじ1)を加え混ぜます。
- シロップの材料を合わせシロップを作ります。冷めた生地のペーパーをはがし、はがした面にシロップを刷毛で塗ります。
- クリームを薄めに塗り、中心を決めます。中心で区切った2面を両方3等分に線を引きます。線の外側に軽く切り込みを入れ下のシートで押しながら両側から巻いていき重なり部分を下にし定規を使ってしめ冷蔵庫で休ませます。
- 適当な大きさに切り完成です。
感想
バタークリームは冷蔵庫に入れると少し固くなるので食べる分を切ってから常温に少し戻すといいですよ。クリームのインスタントコーヒーは個人的にスターバックスの「VIA CLOMBIA」がオススメです。「谷崎潤一郎」さんはこのモカロールをお番茶でいただいていたそうですよ。